大人向けクトゥルフ神話作品の紹介

クトゥルー神話ネタが登場する大人向け漫画やゲームや小説の紹介ブログです。

螢子のクトゥルフ神話要素

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 前置き

 

 『蛍子』のレビューの前に、これからプレイする人に言っておきます。

 公式HPを見てはいけません。

 そこに掲載されている物語およびキャラ紹介を読むと、作品の面白さが確実に減ります。ネタバレ──というか、他の作品なら隠してもいい情報があからさまに書かれています。

 

 また、かなりグロ風味です。

 首飛びまくりです。死体描写ありまくりです。

 そこらに耐性のある方は大丈夫です。(この記事自体に、グロイラストはありません)

 

 

 スクリーンショット

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 システム関連

 

 かなり悪いです。

 まず、オートがありません。

 つぎに、スキップがかなり使いづらいです。

 右クリックから環境設定に行き、そこでメッセージの「メッセージ表示速度」として選ぶことになります。

 

 まあ、Ctrlキーを押しっぱなしにすることでもスキップはできるのですが、未読、既読の区別がありませんから、読んでいないところも瞬時に飛ばされてしまいます。

 

 

 履歴を読むのにも一苦労です。

 ▲ボタンを押せば、一メッセージずつ戻るのですが、読み終わって新しいテキストを読みたい場合には、▼ボタンを押して、現在の位置にまで戻ってこなければなりません。

 

 この二つのシステムの悪さのおかげで、相当読み飛ばしたと思います。

 

 

 クトゥルー神話要素

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 構図としてはきわめてオーソドックスです。

 

 蛍子の記憶を調べるために乗り込んだのは、どこか寂れた妖しげな雰囲気の島。そこで起こる連続猟奇殺人事件。

 真相は如何に……!?

 

 ──という訳なのですが、クトゥルフ神話関連だとブログで紹介するだけで、本当はネタバレなんですよね……。(ですが、このブログにくる人はクトゥルー神話作品を探しに来ていると割り切ることにします)

 

 

 音楽モードのタイトルに!

 

 「おおっ」と思ったのは、音楽鑑賞に登場する曲名です。

 文字は小さいですが、ご覧ください。

 

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 深きもの、永劫の探求、時間からの影、無貌の神、などなど。

 クトゥルフ神話要素から取られた曲名がつけられています。

 

 

 神話要素の使われ方

 

 以下、プレイをしないけど、クトゥルー神話要素がどういう風に使われているかを知りたい、という方だけごらんください。

 

 ↓ (白黒反転してください) 

 

 まず、バックグラウンドに新しい支配者を呼び込みたい「天戸島」の住民と、それを阻止する現支配者の手先の巫女たちとの対立、という構図があります。

 住民側には、「香澄」=「ニャルラトテップ」がつき、「杵築称津奴」を祭主として旧支配者(影からするとクトゥルー)を復活させるため、扉を開けようとします。

 

 扉は、「螢子」。

 鍵は、儀式を踏んだ上でイクこと(?)。

 なお、住民側と巫女側、両方とも旧支配者の眷属です。

 巫女さんの正体を知るルートに入ることがあるのですが、巫女さんたちの正体画像を見るとうああああああああとなります(笑)

 かわいい巫女さんたちが攻略対象! と思わせておいて、巫女さんたちの中身は人間外生物。こんなのとえっちしちゃったの……という感じです。

 

 シナリオの概略を一言でまとめると、旧支配者たちの眷属が、自分の主を復活させるために戦いを始めようとしている。そのさなか、復活に必要な少女がその土地に帰ってくる。その島に主人公も行き、両者の戦いに巻き込まれる──というわけです。

 

 なお、「香澄」=「ニャルラトテップ」の造詣はいい感じでした。

 ニャルさまらしい「退廃的な態度」と「あきらめ具合」が絶妙です。

 旧支配者を復活させる行動理由が、「退屈だから」。

 そのもくろみを阻止されてもそれほど怒った風ではなく、やりたいことを邪魔されたので多少気分が悪いという程度。

 主人公を襲おうとしても、旧支配者の刀を持っているのを見て、すぐに「降参」。あくまでも遊びで世界を混乱させているだけであり、本当の戦いになって命のかけるのはまっぴらという感じ。

 

 そのときの会話を抜き出すと、こんな感じに。

 

【香澄】 「ちょっと、おイタがすぎるんじゃなくて?」

【香澄】 「困った子達ね。今までの苦労が台無しじゃない……」

【主人公】 「どういう事だ?」

【香澄】 「んー。あんまりにも今のままじゃ退屈だったから、がんばったのに」

【主人公】 「退屈?それでこんな事を?」

【香澄】 「まぁ……君達が理解できないのも無理はないけどね……」

【香澄】 「折角、行方不明だった復活の扉がみつかったのになぁ」

【主人公】 「香澄……どいてもらおうか?」

【香澄】 「んー考えちゃうな。このままみんなで焼死ってのはどう?」

【主人公】 「……いい加減にしろよ」

【香澄】 「あら……その刀は……あの巫女の……」

【主人公】 「そうだ……純子の刀だ」

【香澄】 「まぁ、そう。じゃあ、降参」

【主人公】 「え?」

【香澄】 「そんな支配者の武器相手に戦うなんて、私もキツイですから。降参」  

 

 永遠の生命をもっているがゆえに、あらゆるものをどうでもいいと思っていると感じ、それでも倦怠感から楽しいことを探して人間にいたずらをはじめ、でもできないとわかったらさくっとあきらめるという、なかなかいい性格のニャルさまです。

 

 (反転終了)

 

 まとめ

 

 

 クトゥルフ神話の使い方はオーソドックスですが、かなり人を選ぶ作品だと思いますので、コアなクトゥルー神話ヲタさんのみ手を出したほうがいいと思います。

 特に、グロ耐性の無い方は手を出してはいけませぬ。

 個人的には、主人公の狂気暴走シーンが面白かったです。

 

 

 ・クトゥルー神話濃度:濃口