蠅声の王のクトゥルフ神話要素
■ 内容&クトゥルー神話要素
デジタライズドゲームブックの名のとおり、ゲームブックをそのままデジタル化した作品で、他のノベルゲーとは一線を画した遊び方が提案されています。
当時かなり話題になったようで1万本売れたとのこと。これはすごい。
物語のベースはヴァンパイアハンターもの。
ヴァンパイアによる人間界の侵略が起きている世紀末的な未来の世界で、ハンターたちが武器と魔法でヴァンパイアと戦っています。
吸血鬼をめぐる理論構築が面白く、クトゥルー神話好きよりもヴァンパイア好きの方に是非お薦めしたい作品。
スクリーンショットにあるように、クトゥルー神話用語が散見できます。(すみません……画像が小さくて……)
無名都市、ラーン=テゴス、各種魔道書だけでなく、輝くにトラペゾというルビをふっていたりと細かいネタも。
さすがは『黒の断章』や『Esの方程式』を作ったライターさん。あとがきのような所にも神話ネタがあったりします。
敵のほとんどが喰屍鬼。(吸血鬼に血を吸われた処女や童貞でない人間は喰屍鬼になるという設定)
もしかしたら……と思われるのが、MMとだけ名前が出てくる黒人のキャラクター。
おそらく、『黒の断章』に登場した黒人神父マイケル・マクシミリアンだと思うのですが、最後までMMとしてほのめかされるにとどまります。(『蠅声の王』で正体が明かされているわけではないのですが、クトゥルー神話で黒人神父となるとおそらくは……うわあ、何をするやめr)
・クトゥルー神話濃度:薄口