大人向けクトゥルフ神話作品の紹介

クトゥルー神話ネタが登場する大人向け漫画やゲームや小説の紹介ブログです。

素晴らしき日々のクトゥルフ神話要素

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■ スクリーンショット

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■ 内容&クトゥルー神話要素

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 一言で言えば、同じくクトゥルー神話系ゲーム『終ノ空』の続編、あるいはセルフリメイク。

 な、の、で、す、が!

 凄い作品です。

 AMAZONのレビューをご覧いただいても、プレイヤーの皆様の熱意が伝わってきます。伝奇好き、考察好きには是非プレイしていただきたい作品!

 

 残念なことに、クトゥルー神話要素自体は脇役なのですが、ナイアルラトホテップ、アザトース、てけりり、ヨグ・ソトース、などの神話用語が登場します。

 

 

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(ニャルさまっぽいキャラのイラスト) 

 

 内容が凄く濃密でした。

 ヴィトゲンシュタイン、ディキンソン、シラノなど、数多の引用から紡ぎ上げられた衒学世界。精神、宇宙、狂気を取り混ぜて紡ぎ上げられる物語たち。

 極めて小さく、極めて大きい世界の狭まりと広がり。

 そして、選択肢の重さ。

 

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 シナリオライターのすかぢさんは、枕ソフトの「しゅぷれ~むキャンディ」でもクトゥルー神話を投入した方。同じモチーフを別作品でも使う事が多いようなので、恐らくまたやらかしてくれると思います!

 

 以下、少々ネタバレなので反転。

 

 (『しゅぷれ~むキャンディ』と『素晴らしき日々』はかなりの点で同じモチーフが使用され、しかも結構対比しています。このブログはあくまでクトゥルー神話紹介サイトなので、普通の分析は控えますが、似たような使われ方をしている言葉、小道具などに注目して抜き出すと面白い比較ができると想います。魔法少女、ウサギ、ヨグ=ソトース、想いの力、無限などに注目すると面白いです。あとケロQと枕ソフトの中の人たちがほぼ一緒というのもあるのでしょうが、背景が同じのが使われていたりしますねー)

 

 ・クトゥルー神話濃度:濃口

 

 

終ノ空のクトゥルフ神話要素

■ スクリーンショット

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 飛び降り自殺した高島ざくろ──。

 彼女の死の後、世界は7月20日に終わるという噂が流れ始める。

 学校内で増殖していくカルト集団──。

 終ノ空に至ったとき、世界はどうなってしまうのだろう? 

 

■ クトゥルー神話要素

 

 ナイアルラトホテップ、ヨグ=ソトース、アザトース(?)などなど……。

 作品のテーマ通り、本当に世界を終わらせる極めて豪華な布陣です(笑)

 

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■ まとめ

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 重度の電波&狂気に満ちたWINDOWS95/98時代の18禁ゲームです。

 レビューサイトの感想を読むと、よくわからないシナリオだとか、謎な設定が多いという意見がちらほら見られるのですが、クトゥルー神話を知った上でプレイすると、かなり多くの部分が見えてきます。(「これが間宮君の、ないあるらとほてっぷの形」という台詞がいきなり出てきたりしますから。正直、予備知識がないとわかりません。とはいえ、クトゥルー神話だけでもすべてを理解するには至りません。埴谷雄高とかヴィトゲンシュタインとかニーチェとか難しいテーマがたくさん詰め込まれた作品です……。とはいえ、クトゥルー神話的側面から見るだけでも、充分おもしろい作品だと思います)

 

 終末思想とクトゥルー神話を絡めた作品の中ではトップクラスで壊れている傑作で、本当に狂気に満ちています。アタマリバース、スパイラルマタイ、エンジェルアドバイズなど、電波系のオリジナル単語が多くあり、クトゥルー神話抜きでもインパクト絶大です。(全くわからずに放り投げられる可能性も相当高いですが……)

 

 コアなクトゥルー神話ヲタさんはチェックしてみてください!  ……と言いたいところですが、リメイク版に近い『素晴らしき日々』がリリースされています。  そちらのプレイをおすすめします。

  

 ・クトゥルー神話濃度:濃口

 

 

鋼炎のソレイユのクトゥルフ神話要素

■ スクリーンショット

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■ 簡易内容紹介

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 異世界&性転換&北欧神話&クトゥルー神話のカードバトル×ノベルものです。

 

 

 とは言え、カードバトルは「選択肢で勝ったことにできる」ため、ほぼノベルゲームとしてプレイできます。

 

■ クトゥルー神話要素

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 いや、すみません。実は結構なめてました……。

 J・A・スズキのキャラクター紹介で、「無貌なる者の結社」に属する「深き者共」とあるのを知りながら、サラリーマン風の深きものどもが出てくるからにはクトゥルー神話をメインに扱っているわけじゃなく、出落ちネタ系としての使われ方だよね……神話要素は少ないよね……とプレイしてもないのに勝手に思っていました。

 

 実際に途中までは、J・A・スズキはエロ&ネタ&かき回し役。敵なのか見方なのかよく解らないなりに存在感があるキャラクターという感じでした。

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 ところがところが!

 シナリオが進むと評価が一変。既存の作品にないくらい深きものの苦悩が書かれていました。スクリーンショットのダゴンのセリフを御覧ください。

 

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 深きものどもだけでなく、メイン部分にクトゥルー神話要素ががっちりと絡んでました。(他に北欧神話がものすごく大きなモチーフになっています)

 

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 クトゥルー神話で悪役いえばもちろんこの方。

 というかが出てこない神話作品を探した方が早いと思えるくらい、ニャル様は何処にでも現れますよね(笑)

 

 ・クトゥルー神話濃度:濃厚

 

螢子のクトゥルフ神話要素

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 前置き

 

 『蛍子』のレビューの前に、これからプレイする人に言っておきます。

 公式HPを見てはいけません。

 そこに掲載されている物語およびキャラ紹介を読むと、作品の面白さが確実に減ります。ネタバレ──というか、他の作品なら隠してもいい情報があからさまに書かれています。

 

 また、かなりグロ風味です。

 首飛びまくりです。死体描写ありまくりです。

 そこらに耐性のある方は大丈夫です。(この記事自体に、グロイラストはありません)

 

 

 スクリーンショット

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 システム関連

 

 かなり悪いです。

 まず、オートがありません。

 つぎに、スキップがかなり使いづらいです。

 右クリックから環境設定に行き、そこでメッセージの「メッセージ表示速度」として選ぶことになります。

 

 まあ、Ctrlキーを押しっぱなしにすることでもスキップはできるのですが、未読、既読の区別がありませんから、読んでいないところも瞬時に飛ばされてしまいます。

 

 

 履歴を読むのにも一苦労です。

 ▲ボタンを押せば、一メッセージずつ戻るのですが、読み終わって新しいテキストを読みたい場合には、▼ボタンを押して、現在の位置にまで戻ってこなければなりません。

 

 この二つのシステムの悪さのおかげで、相当読み飛ばしたと思います。

 

 

 クトゥルー神話要素

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 構図としてはきわめてオーソドックスです。

 

 蛍子の記憶を調べるために乗り込んだのは、どこか寂れた妖しげな雰囲気の島。そこで起こる連続猟奇殺人事件。

 真相は如何に……!?

 

 ──という訳なのですが、クトゥルフ神話関連だとブログで紹介するだけで、本当はネタバレなんですよね……。(ですが、このブログにくる人はクトゥルー神話作品を探しに来ていると割り切ることにします)

 

 

 音楽モードのタイトルに!

 

 「おおっ」と思ったのは、音楽鑑賞に登場する曲名です。

 文字は小さいですが、ご覧ください。

 

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 深きもの、永劫の探求、時間からの影、無貌の神、などなど。

 クトゥルフ神話要素から取られた曲名がつけられています。

 

 

 神話要素の使われ方

 

 以下、プレイをしないけど、クトゥルー神話要素がどういう風に使われているかを知りたい、という方だけごらんください。

 

 ↓ (白黒反転してください) 

 

 まず、バックグラウンドに新しい支配者を呼び込みたい「天戸島」の住民と、それを阻止する現支配者の手先の巫女たちとの対立、という構図があります。

 住民側には、「香澄」=「ニャルラトテップ」がつき、「杵築称津奴」を祭主として旧支配者(影からするとクトゥルー)を復活させるため、扉を開けようとします。

 

 扉は、「螢子」。

 鍵は、儀式を踏んだ上でイクこと(?)。

 なお、住民側と巫女側、両方とも旧支配者の眷属です。

 巫女さんの正体を知るルートに入ることがあるのですが、巫女さんたちの正体画像を見るとうああああああああとなります(笑)

 かわいい巫女さんたちが攻略対象! と思わせておいて、巫女さんたちの中身は人間外生物。こんなのとえっちしちゃったの……という感じです。

 

 シナリオの概略を一言でまとめると、旧支配者たちの眷属が、自分の主を復活させるために戦いを始めようとしている。そのさなか、復活に必要な少女がその土地に帰ってくる。その島に主人公も行き、両者の戦いに巻き込まれる──というわけです。

 

 なお、「香澄」=「ニャルラトテップ」の造詣はいい感じでした。

 ニャルさまらしい「退廃的な態度」と「あきらめ具合」が絶妙です。

 旧支配者を復活させる行動理由が、「退屈だから」。

 そのもくろみを阻止されてもそれほど怒った風ではなく、やりたいことを邪魔されたので多少気分が悪いという程度。

 主人公を襲おうとしても、旧支配者の刀を持っているのを見て、すぐに「降参」。あくまでも遊びで世界を混乱させているだけであり、本当の戦いになって命のかけるのはまっぴらという感じ。

 

 そのときの会話を抜き出すと、こんな感じに。

 

【香澄】 「ちょっと、おイタがすぎるんじゃなくて?」

【香澄】 「困った子達ね。今までの苦労が台無しじゃない……」

【主人公】 「どういう事だ?」

【香澄】 「んー。あんまりにも今のままじゃ退屈だったから、がんばったのに」

【主人公】 「退屈?それでこんな事を?」

【香澄】 「まぁ……君達が理解できないのも無理はないけどね……」

【香澄】 「折角、行方不明だった復活の扉がみつかったのになぁ」

【主人公】 「香澄……どいてもらおうか?」

【香澄】 「んー考えちゃうな。このままみんなで焼死ってのはどう?」

【主人公】 「……いい加減にしろよ」

【香澄】 「あら……その刀は……あの巫女の……」

【主人公】 「そうだ……純子の刀だ」

【香澄】 「まぁ、そう。じゃあ、降参」

【主人公】 「え?」

【香澄】 「そんな支配者の武器相手に戦うなんて、私もキツイですから。降参」  

 

 永遠の生命をもっているがゆえに、あらゆるものをどうでもいいと思っていると感じ、それでも倦怠感から楽しいことを探して人間にいたずらをはじめ、でもできないとわかったらさくっとあきらめるという、なかなかいい性格のニャルさまです。

 

 (反転終了)

 

 まとめ

 

 

 クトゥルフ神話の使い方はオーソドックスですが、かなり人を選ぶ作品だと思いますので、コアなクトゥルー神話ヲタさんのみ手を出したほうがいいと思います。

 特に、グロ耐性の無い方は手を出してはいけませぬ。

 個人的には、主人公の狂気暴走シーンが面白かったです。

 

 

 ・クトゥルー神話濃度:濃口

 

 

蒼色輪廻のクトゥルフ神話要素

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■ スクリーンショット

 

 

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■ 内容

 

 

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 ここまでダメな主人公は初めて見た……という位のダメダメな男が主人公です。

 悪い意味ではなく、それがシナリオ&キャラ的に良い味を出しています。

 ダメだからこそ熱く感じる言葉とか、面白いネタが多数あり。

 

 自殺をしようとビルの屋上に登るのですが、そこでヒロインに声をかけられます。そこから物語は急激に展開。

 『涅槃の目』を持つ女を捜している地元の有力者を相手にした物語が始まります。

 

 

 が……。

 この作品はタイトルにあるように輪廻転生もの。ただし……、転生は「自分自身」になります。

 途中から異世界にも転生します。その場合は、ふたなりの美少女化。

 

 

 「過去の後悔」を引き継ぐ為に、選択肢が重要な意味を持ちます。

 要するに転生を媒介としたループ系作品。

 

 

 おかげで、陵辱から寝取られからあらゆる屈辱や失敗を味わうことに。

 

  

 プレイヤーは鍵(エンディング=死に至ればもらえる)を見つけることで、分岐点で別の選択をできるようになります。

 それを繰り返すことで、全員それぞれの幸せをつかもうという作品です。

 その鍵と次元転換のシステムが極めて特殊!

 

 

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■ クトゥルフ神話要素

 

 

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 各所でクトゥルー神話用語が登場します。

 アラビア語の本(人の皮で出来ているらしい)、ダーレス、クトゥルーナイアルラトホテップなどなど。

 ちなみに、ダーレスは主人公が飼っている昆虫の名前。

 

 

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 転生先の異世界で進行されている宗教がクトゥルー信仰。なまえをみだりに唱えることは許されず、主人公が「クトゥルーマンセー」と言った矢先に地震が発生するというエピソードもありました。

 

 

 シナリオの流れはいい感じですし、ダメ主人公のテキストが最高です。

 ただし、難易度が高いので時間のない方は攻略サイト必須です。

 

 クトゥルー神話要素はフレーバーにとどまるため、ガッツりクトゥルフ神話を期待されると微妙かもですが、ループもの好きや、ダメ主人公好きや、ノベル「ゲーム」好きの方には超オススメな作品!

 

 

 なお、個人的にお気に入りだったキャラは山田仁奈。

 超一方的なわがままで押しまくられました。

 

 

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クトゥルー神話濃度:薄口

 

 

 

しゅぷれ~むキャンディのクトゥルフ神話要素

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■ スクリーンショット

 

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■ 内容

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 クトゥルフ神話として紹介するブログなので、そういったものばかりを集めていますが、作品の大部分は日常魔法ものであり、神話作品を期待しすぎるとじれったいかもしれません。

 

 クトゥルー神話ルートは、ジャコルート、ヘスペラスルートと言う最後の2ルートだけ。(内容的にはほぼ最後の1ルートのみ)

 他のルートはクトゥルー神話にはほぼ関係ない普通(?)のシナリオです。

 

■ クトゥルー神話要素

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 貼り付けてきたスクリーンショットにあるように、結構ストレートにクトゥルー神話用語が登場します。

 

 ラストはシャイニングトラペゾヘドロンを使うハスターとの一騎打ちですし。

 それまでのルート(基本的に日常もの)からすると超超展開。

 

 とは言え。

 『終ノ空』や『素晴らしき日々』を制作してきたケロQと関係が強いブランドですし、すかぢさんがシナリオに入ってますので、ある意味これが自然なのかも知れません(笑)

 

 特に後に『素晴らしき日々』で使われることになる小道具やモチーフや考え方が『しゅぷれーむキャンディ』にも散見しているのが面白いです。

 

 

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 登場する神話用語は、ニャルラトテップ(珍しい三眼猫型)、ヨグ=ソトース、ハスター、ルリエー、シャイニングトラペゾヘドロン、銀の鍵、エイボンの書、ラーン・テゴスなど。

 

 まあ……そのあたりは置いといて、ジャコと悠莉が可愛いということで。

 

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・クトゥルー神話濃度:(一部ルートが)濃厚 

 

 

アトリの空と真鍮の月

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 ■ スクリーンショット

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■ 内容

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 『果てしなく青い、この空の下で…。』と世界を同じにした作品です。

 

 攻略対象は6ヒロイン。

 各シナリオを解いていく度に、全体像がわかっていくシナリオになっています。

 ストーリーは、春、夏、秋、冬で進行。

 犠牲がテーマらしく、微鬱な展開になることも……。

 

■ クトゥルー神話要素

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 作中のワードは、海神、古き神や、イアイアなどの少しだけ。

 スクリーンショットのように「発狂」の解釈が導入されていたり、ヤマノカミとウミノカミの対立が語られていたりと、完全なクトゥルフ神話というよりも、『果てしなく青い、この空の下…。』かた続く、クトゥルフ神話からインスパイアされたオリジナル神話という方が近いです。

 

 

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 極めてオーソドックスな田舎が舞台の伝奇もので、単体でもプレイできますが、『果てしなく青い、この空の下で…。』をプレイした方がより楽しめると想います。

 

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クトゥルー神話濃度:薄口