果てしなく青い、この空の下で…。のクトゥルフ神話要素
■ 概要
シナリオは春夏秋冬の四つのパートに分かれています。
春と夏で攻略キャラへのルートを確定させ、秋でバッドかグッドかを判別。冬でその結果を示す、というパターンで構成されています。
最初は田舎の町の青春物語に見えるのですが……、時折挿入されるヤマノカミの伝承から伝奇を中心とした物語に変貌。ヤマノカミが山から下りてくるとされる「月食の吹雪く夜」にある破局が起こります。
春、夏での幸せな日常が、秋で転換し、冬で結末を迎えるという風に典型的な起承転結構成になっています。各キャラのルートはバッドとグッドの二つなのですが……そのバッドの鬱具合がかなりキテると評判です。まあ、とにかく面白い!
■ 評価
クトゥルー神話を抜きしても名作といわれています。(ただし、一般的なセールスにはつながらなかったので、「埋もれてしまった名作扱い」ですが)
シナリオ途中少女達が陥る不幸が実に上手く表現されています。
検索していると聖地巡礼されている方々を何名か見つけましたので紹介させていただきます。
モデルスポットMAP〜ゲームの舞台へ行ってみよう!〜聖地巡礼〜
風鈴堂ブログ健足会その4(松倉商店、通学路、戒田邸、御杖神社): 風鈴堂ブログ
■ クトゥルフ神話との関連性
クトゥルフ神話用語は一言も登場しません。
にもかかわらず、私達が「クトゥルー神話伝奇」として想像しそうなシナリオ、伝奇を上手く表現しています。(実際、公式ビジュアルブックではラヴクラフトからインスパイアを受けたという内容が書かれています)
たとえば……ですが、ODW【オド】とYzz=HwTrrra【イズ=ホウトリャ】。
クトゥルー神話には、このような神々は登場しませんが、いかにもな存在であり、ネーミングです。
『第三界』と題された書物には、知られざるヤマノカミ伝承が書かれていますし、シュールレアリズムの画家――八車斎臥の描く絵はグロテスクな化け物――!
『第三界』は『ネクロノミコン』や『妖蛆の秘密』といった魔道書にヒントを得たのでしょうし、八車斎臥はリチャード・アプトン・ピックマンが元ネタだと思います。
その他、いくつかクトゥルー神話っぽいものがあるのですが……。
そこらはプレイしてのお楽しみです。
もう少し詳細なレビューと、クトゥルー神話内容を見てみたい方はこちらのサイトの記事果てしなく青い、この空の下でふたぐんに詳しく書かれています。
なお、旧版(ダウンロード販売)と完全版があるのですが、オススメは完全版。
旧版は中古価格が物凄く安いのですが、機種によってはフォントの関係でXPでも表示が怪しくなる場合が。完全版のセールスポイントは声。旧版では一切なかった声がつけられ、フルボイスになっております。